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日英バイリンガル子育て応援コラム

ポピー学園

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カテゴリー:教育・英会話
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ポピー学園より第7回

あっという間に去った短い秋、ここアンテロープ・バレーでは今年も素晴らしい紅葉が見られました。こんにちは、イオシフィディス亜津佐です。 12月に入って気温もぐっと下がり、とうとう本格的な冬に突入しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、日頃より仕事を通して、また一母親として、子供のバイリンガル教育に日々励んでおられる方々とお話をする機会があります。同じようなお悩みあり、二つの言語の間(はざま)にいるからこそ生まれる子供たちの微笑ましいエピソードあり。今日はそのいくつかをシェアさせていただきたいと思います。

私の友人のお嬢さん(10歳)の話。このお嬢さん、日本語でお母様に「カンディー食べていい?」と聞くのだそうです。キャンディー、ではなくカンディー。なぜか?・・・お母様のお話によると、このお嬢さんの中で英語のcan(キャン)は日本語に訳すと缶(かん)、という理解があり、日本語の文章を話す場合、自然と“can”が「かん」に(この場合はcandyのcanが「カン」に)切り替わってしまうのだとか。思わずなるほど!と感心してしまいました。

私の長男(3歳)の話。最近、母親である私に話す時、英単語を日本風の発音に言い直すことがあります。例えば夕食後 “I ate all of it!”と言ったあと、私に「ママ、オールオブイット食べたよ!」と言い直します(ぜんぶ、という日本語がなかなかでてこないので日英ミックスの文章です)。ここでおもしろいのは、同じ“all of it”でも前者の英文ではitのtを発音しない完全な英語風で、後者の日本文ではイット、のまできっちり強調した日本語風で発音をすることです。これは、英語風の発音をすると私が理解できないと思っての彼なりの親切心なのでしょうか・・・ ?

・・・とまあ、このようなエピソードがいくつもあり、バイリンガルの奥の深さ(?)を日々実感致します。

バイリンガルのメリットについて、二つの言語や文化を理解できるという基本的な利点以外の付加価値について、日々研究が進められているそうですが、最近、とても興味深い記事を読む機会がありました。日頃から2つ以上の言語を頭の中でスイッチする訓練をしているバイリンガルの人々は、モノリンガルの人々に比べ、物事をより多角的に見る傾向があるというものでした。また、相反する情報を飲み込んでうまくまとめる、不必要情報を瞬時に排除する、など、インプットされる様々な情報の処理により長けているとか・・・。バイリンガルの人々は、モノリンガルの人々に比べて格段に広い語彙の中から言葉を選択しているという点から見ても、納得できる内容でした。

少し話のスケールが大きくなってしまいましたが、この記事では最後に、両親が違う言語を話すから子供はバイリンガルに育つという保証は全くなく、あくまでも 2つの言語に触れる機会を親がどれだけ作るかがカギ、と締められていました。少々耳が痛いですがこれを良いリマインダーとし、新年に向けて身を引き締めて参りたいと思います。

2015年もあと僅か。本年は我がポピー学園を応援してくださり、ありがとうございました。皆様、どうぞ良い新年をお迎えくださいませ。来年も引き続き宜しくお願いいたします。