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中泉拓也

コロナ禍のモニュメントバレーへの旅

既に夏休みも後半で、夏休みの旅行の紹介には遅れてしまいましたが、日本から米国旅行する友人も増えていて、モニュメントバレーを紹介していたら、紹介している方が感極まってきたので、こちらでもモニュメントバレーの魅力について紹介します。

 

サバティカルでのサンディエゴ滞在が2020/7から2021/4でまさにロックダウン中で、遠出の旅行に飛行機やクルーズ船を利用出来ず、ひたすら自動車での家族旅行ばっかりしてました。特に人生最高の思い出になったのが、モニュメントバレーとセコイア国立公園(プラス、マンザナー収容所とヨセミテ)です。現在と比べるとまだまだガソリン代も安く、ロックダウンで道も空いていて快適な運転が出来ました。更にホテルも安く、ページのベストウエスタンは、2部屋借りて2泊して何と100ドル!ピークだと800ドルはかかりますよね。アメリカではごく一般的ですが、当時日本で役人の不倫で初めて有名になったコネクテッドルームを初めて利用しました。食事もCostcoやWalmartで調達しながらで、7泊8日の旅行で、ホテル代とモニュメントバレーのガイド代、そしてお土産代を合わせて、家族5人で何と20万円ほどで済みました。夕食のディナーは三回ですませたんですけどね。今日紹介するGoulding’s Lodgeのホテル内のレストランとページ(Page)のメキシカンレストラン、最終日前日のラスベガスのパリスホテルのビュッフェで、どれも楽しめました。

渡航当初は、10年ぶりの運転ということもあり、慣れないところ、そんなに自動車で遠出はしないと思っていたのですが、10月にジュリアンからアンザボレゴ砂漠に行ったら、思いのほか道路もよくて、自動車の高速安定性も高くなっていたので、アリゾナまで旅行しようと思い至った次第です。それでも最初はグランドキャニオンまででいいかなと思たのですが、友人がかつてバイクでモニュメントバレーに旅行していたのを思い出して、せっかくなのでモニュメントバーまで足を伸ばそうということ に。結果、8泊9日の比較的大旅行になりました。

 

ロックダウン中だったので、ナバホ族系の国立公園(モニュメントバレー、アンテロープキャニオン 、ザイオンキャニオン)は殆ど閉鎖、唯一空いていたのが少し遠くのGoulding's lodge(https://gouldings.com/)でした。家族5人で380ドルと高かったものの、ガイドツアーに申し込んで出発。ラスベガスで1泊して、グランドキャニオンに行き、近くでまた一泊。そしてモニュメントバレーへ。その後、ページ(Page)で2泊し、ホースシューベントを見て、バーミリオンクリフのバックスキンガルチというところでトレッキングし、セントジョージ経由でラスベガスに戻って1泊してサンディエゴへという道のりです。

 

 

久々の長距離運転なので、きつかったのですが、特にきつかったのが、グランドキャニオンからモニュメントバレーまで。といっても350マイルですが、慣れてないので、結構たいへんでした。最後の最後、ほんとぐったりというところで、このモニュメントバレーの入り口のような巨石が見え、Official髭男dismのILove..が流れたんですよ。そしてMonument Valleyに到着。この時の感動は最高の思い出です。10年来の疲れも吹っ飛ぶくらいの爽快感でした。渡米前はロックダウン中で何度も渡米を再考しましたが、そういうネガティブな思いがすべて解消された瞬間でした。

 

 

モニュメントバレーの光景については、第一印象:龍安寺の石庭に身長5cmの小人になって入った気分。思ったよりも岩がバラエティに飛んでいました。また同じアジア系としては、ナバホ族の居住地も気になっていたのですが、幸い小学校やインフラも徐々に整備されていて、少しホッとしました。公園近くの綺麗な建物が小中学校で、最近新築されたようです。モニュメントバレーの周りで、ナバホの人が30万人は暮らしていて、すべて地下水、電気なしの暮らし(住居はキャンピングカーが半分、プレハブっぽい家が半分ほど)ですが、近くの学生はスクールバスで通っているそうです。奨学金も充実していて、都会の大学にも門戸が開かれているそうです。

 


モニュメントバレーに到着直後、Goulding's lodgeにチェックイン。ナバホの人は誰もが親切で、チェックインした時に「あっち」や「こっち」が日本語と同じだと、フロントの会話で盛り上がっていました。そして、そのままツアーへ。園内は完全に閉鎖されているので近づけなかったのですが、岩から一番近い場所、ナバホのかつての住居、そしてフォレスト・ガンプポイント。

 

 

最後にロッジの裏のとっておきの場所 Teardrop Arch へ
https://www.earthtrekkers.com/teardrop-arch-monument-valley-worth-it/

 

 

夜に行ったのはホテルのレストランで、ナバホタコスを注文。タコスの代わりに揚げパンが使われていてカロリー高すぎ注意ですが、超美味しかったです。そして、砂漠の夜は本当に星が綺麗で、天の川が天空に広がっていました。

 

 

就寝した後は雪で、翌日は雪のモニュメントバレーが見られました。

 

 

実はモニュメントバレーは20世紀まで殆ど世界で知られていなかったそうです。そこにまさにこのホテルのあるところに住み着いたGoulding 夫妻が、ナバホ族の人に信頼を得て、文明の一部をナバホの人に紹介したそうです。更に、大恐慌に苦境に陥っていたナバホ族のために、ハリウッドにモニュメントバレーを紹介したそうです。そして製作されたのが、なんと、ジョンウエインの「駅馬車」。

 

 

夫妻の住居は博物館になっていて、翌日見学したのですが、ここで撮影された西部劇がいかに多いかが改めてよくわかりました。彼らがいなかったらナバホ族も西部劇映画も現代のようにはなっていなかったでしょう。手付かずの自然をそのままにするのではなく、人々を世界経済にいかに交流させ、ビジネスに繋げて、人々の暮らしを向上させるか。それによって、自然保護をサステナブルに維持していくか。それがが現在の経済、経済学の最大の課題です。そういう点でもGoulding夫妻の貢献は先駆であり、感動的です。

 

 

おかげで、ナバホの人々も富み、数々の有名映画のロケ地となり、世界に知られることになりました。ネイティブアメリカンの悲惨な歴史を数多く聞いている身としては、本当にこの話は感動的でした。モニュメントバレーの眺望はThe View Hotel (https://monumentvalleyview.com/ )の方がおすすめですが、この歴史の重みや感動を満喫するためにも、ぜひこちらの博物館も寄って見てください。

今回の旅行は更にホースシューベントへと続きますが、それは改めて書きたいと思います。