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コラム Column

日本酒唎酒師あやかが日本酒を語る

伊藤彩夏

アリゾナ酒

今回のコラムでは、日本で10年間酒造りに携わり、アメリカでは唯一の1級酒造技能士の櫻井さんが町民わずか5000千人の小さな町ホルブルックで醸す日本酒、Arizona Sakeをフィーチャーします。

アリゾナ州ナバホ郡ホルブルックにあるアリゾナ唯一の酒蔵 Arizona Sake。杜氏の櫻井さんを訪ねに、ホルブルックまで行ってきました。麹造りから、仕込み、搾りから瓶詰め、配送まで全ての行程を1人で行われて、酒造りに必要な道具や機械もアメリカでは手に入らないため、ワイン造りに使われているタンクを使用したり、多くのものを1から手作りしたり、約1年がかりで蔵を完成されたそうです。 ホルブルックはアリゾナ州の中でも特に水が澄んでおり、酒造りに適していたり、乾燥地帯であるため、日本では再現しきれない未知の領域 (日本では除湿器を使用しても、麹室の湿度を30%以下に保つことが難しいのですが、ホルブルックでは平均湿度を10%程度に抑えることができるため、雑味の原因ともなる不必要な雑菌が繁殖するのを防ぐことが出来る。) での麹造りが可能だったりと、酒造りを始めて見たら、思いがけない良い発見があったようです。Arizona Sakeはカリフォルニア産のお米カルローズを100%使用。芳醇で優しい甘みとキレがあり「甘いのに辛口」な味わいの日本酒で、生酒らしいフレッシュな酸味もあり、魚介類から肉類まで様々なものと合わせやすい食中酒。夕飯には、ナバホネイティブである奥さんのヘザーさんお手製のナバホブレッドと味噌麹の入った自家製スープと一緒にArizona Sakeで乾杯しました。


BESHOCKで開催したArizona Sakeのイベントでは、ムール貝の酒蒸しに、頂いた酒粕で漬けたキュウリとニンジンの奈良漬け、そしてデザートには、同じく酒粕から作った「飲む点滴」といわれている栄養満点の自家製甘酒を用意。甘酒を二日酔い防止などの目的で飲酒前に飲むこともあるようですが、甘酒の甘みが日本酒の酸味を引き立たせてしまうのと、飲酒後に甘酒の糖分がエネルギー源となり、アルコールの分解を手助けしてくれるので、甘酒はデザート感覚で食後の最後に提供させて頂きました。日本酒の言葉で和醸良酒という言葉があります。それは、「いい日本酒は、いい和をつくり出す」という意味なのですが、イベントの終盤に差し掛かると、初めて会った参加者同士が日本酒を囲い、本当に和をつくり語り合う様子が伺え、造り手のAtsuo Sakuraiさんを表したような、とても楽しくてあたたかい会となり、言葉の意味を深く体感させて頂きました。Arizona SakeはLA日本領事館のレセプションでも使用された注目の日本酒なので、アリゾナへお出かけの際は、お土産や記念に是非チェックして下さいね。

2018.2.12
唎酒師 伊藤彩夏

フェニックス近郊の酒販店やレストランでの取り扱い情報

Fujiya Market
1335 W University Dr, #5, Tempe, AZ 85281

Top's Liquor
403 W University Dr, #104, Tempe, AZ 85281

Nobuo at Teeter House
622 E Adams St, Phoenix, AZ 85004

今月のBESHOCKイベント情報
2月26日 (月) に日本酒ディナーを開催!
4コースディナーに5種類の日本酒を合わせていきます。
日本酒ラインナップ: 上善水如、会津中将、自然郷、松の寿、群馬泉
ご興味のある方はbeshock.eastvillage@gmail.comまでご連絡ください!