ロサンゼルスタウンがゆく!
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『SHOGUN 将軍』平岳大さんにインタビュー|海外で働くこと、ハワイでの暮らし、そしてこれから
10/12/26 12:00
先日、サンディエゴ・ミラマーにあるEmbolden Beer Co.で、日本文化イベント「Taste of Shogun」が開催されました。 今回、サンディエゴ/ロサンゼルスタウンでは、イベントに参加した俳優・平岳大(ひら たけひろ)さんにインタビューする機会をいただきました。
『SHOGUN 将軍』をはじめ、日本だけでなく海外作品にも数多く出演し、現在はハワイを拠点に活動する平さん。同作はエミー賞でも高く評価され、大きな注目を集めました。
今回のイベントで誕生したコラボビールの裏話から、日本とアメリカの撮影現場の違い、海外作品で日本人を演じることへの考え方、ハワイでの暮らし、そしてこれから挑戦したいことまで、たっぷりとお話を伺いました。
「The Warrior」誕生のきっかけはハワイでの出会い
今回のイベントに合わせて登場した、平さんとEmbolden Beer Companyのコラボビール「The Warrior」。

コラボのきっかけは、イベント企画者とのハワイでのつながりだったそうです。 もともとは別のプロモーションについて話をしていたところ、『SHOGUN 将軍』への出演が話題に。そこからサンディエゴでの企画、そしてビールのコラボへと「トントン拍子」で話が進んでいったといいます。
日本らしいフレーバーを取り入れたビールですが、意外にも味づくりについては「完全にお任せして」いたそう。 そうして出来上がったのが、シークヮーサーを使ったビールでした。

「The Warrior」はライスラガーということもあり飲みやすく、シークヮーサーの爽やかな風味が加わった、すっきりとした味わい。ビールが得意ではない方でも試しやすそうな一杯です。
完成したサンプルは平さんの住むハワイへ送られ、ちょうどその頃ハワイを訪れていた俳優の窪塚洋介さんたちと一緒にテイスティングしたという、なんとも豪華なエピソードも。
日本ではまだ珍しいタイプのフレーバービールを、平さんは「これはもう完全な変化球じゃん」と表現しながらも、その意外性を楽しんでいる様子でした。
「The Warrior」は、ミラマーにあるEmbolden Beer Co.で楽しむことができます。
日本とアメリカ。撮影現場の「働き方」の違い
日本と海外、両方の現場を経験してきた平さん。
「働き方に違いはありますか?」と尋ねると、「たくさんありすぎて」と笑いながら、日本では作品を作ることへの情熱から、時間を超えても「終わるまでやる」という雰囲気がある一方、アメリカでは仕事としての線引きがより明確だと話してくれました。
「こっちはちゃんと仕事としてやってるから、時間がくれば終わるし。エクストラでやらなきゃいけないときは、プロデューサーがお金を払う。オーバータイムがあるし、ちゃんと仕事として成り立ってる」
その違いを強く感じたのが、ハリウッド作品『Snake Eyes』の撮影だったそう。
平さんが着用する袴の着付けを担当していたスタッフは、最初こそ着せ方が分からず、平さん自身が教えることもあったそうですが、徐々に慣れてきた頃、そのスタッフから突然「これから3週間バケーションに行く」と告げられたのだとか。
「今、作品を撮っているのに?」と当時は驚いたと振り返ります。 しかし、新しい担当者が来れば、また一から教えて撮影は続いていく。
「この人ができなかったら、次の人が来ますよっていう。ちゃんとスケールアップできるシステムになってて」
一人のスタッフに依存するのではなく、誰かが抜けても作品そのものは前へ進む。 「効率的かどうかは別として」と前置きしながらも、それもアメリカ的な働き方の一つなのではないかと話していました。
「日本人として大切にしていることは?」意外な答え
海外作品で活躍する平さんに、「日本人として海外で活動する上で、大切にしていることはありますか?」と聞いてみました。
返ってきた答えは意外にも、「ないんだよね」というもの。
ただ、その後の話を聞いていくと、平さんなりの海外作品との向き合い方が見えてきました。
海外作品では、日本人から見ると「これはちょっと違うのでは?」と感じる日本の描写に出会うこともあります。 もちろん、明らかにおかしいところは現場で伝える。
一方で、自分の考える「正しい日本」を何が何でも押し通すのではなく、作品の世界観や撮影現場そのものを尊重することも大切にしているといいます。
「この世界観の中で俺はサインして、やるって決めたんだから。その中で、自分なりにできる日本を描こうと思って」
海外の現場に飛び込みながら、自分のできる範囲で日本の描写をより良いものにしていく。 「日本人だからこうする」というより、その作品の中で自分に何ができるのかを考える。それが平さんのスタンスなのかもしれません。
完璧じゃないものを「説得力のあるもの」に
その考え方がよく表れていたのが、映画『Tornado』の撮影についてのエピソードです。
限られた予算の作品では、用意された日本の衣装や小道具が、必ずしも日本人から見て完璧とは限りません。 『Tornado』でも、サイズの合わない着物や袴などが用意されていたそう。
「それを説得力を持たせてやるのが、俺の仕事だと思ってる」
用意されたものを否定するのではなく、着方を工夫したり、自分なりにアレンジしたりしながら、「こうやったら、なんか説得力あるんじゃねえか」と考える。
そして、そんな試行錯誤について「俺は嫌いじゃないんだよね」と笑う姿が印象的でした。
「一回だけやってみよう」から始まった俳優人生
現在では国内外で活躍する平さんですが、最初から俳優一筋だったわけではありません。
アメリカの大学では数学を学び、一時は医療の道も考え、その後は投資関連の会社で会社員として働いた経験も。
しかし会社員生活を続ける中で、「自分は何をやりたいんだろう」と考えるようになったといいます。 そこで浮かんだのが、俳優という仕事でした。
「多分絶対うまくいかないけど、そんなことは分かってるけど、死ぬ時に『あれ一回やっとけばよかったな』って思うのは嫌だから、一回だけやってみようと思って」
そして少し笑いながら、
「やったら、現在になりました」
と平さん。
その“一回”から、およそ25年。 今では日本を飛び出し、世界を舞台に俳優として活動しています。
ハワイで見つけた「村」のような暮らし
現在、平さんが生活の拠点としているのはハワイ。 気に入っているところを聞くと、出てきた言葉は「村」でした。
スーパーへ行けば知っている人に会う。人との距離が近く、小さなコミュニティの中で暮らす。 そんな環境が好きなのだそうです。
自然環境や人の良さに加えて、家族にとっての生活環境も、ハワイを気に入っている大きな理由の一つだと話していました。
一方で、俳優としての仕事はハワイだけで完結するものではありません。 そこで今後は、日本とハワイの二拠点での生活も考えているそう。
「日本発の映画を作ろうかなと思って」
と、これからは俳優業だけでなく、日本発の作品づくりやプロデュースにも挑戦していきたいと話してくれました。
約30年ぶりのサンディエゴ。覚えていたのは……Jamba Juice!?
実は平さん、サンディエゴを訪れるのは初めてではありません。 大学卒業後に一度訪れたことがあり、今回はなんと約30年ぶり。
当時のサンディエゴで印象に残っているものを尋ねると、返ってきたのは意外な答えでした。
「Jamba Juice」
ちょうどJamba Juiceが登場した頃だったそうで、「こんな美味しいものは何ですか?みたいな」と感じた記憶が残っているのだとか。
今回久しぶりに訪れたサンディエゴには、現在暮らしているハワイと通じるものも感じたようです。海が近く、ゆったりとした雰囲気など、約30年ぶりのサンディエゴを楽しんでいる様子でした。
日本に帰ったら食べるものは?平さんの意外な素顔
最後に少しだけ、プライベートな質問も。
「日本に帰ったら必ず食べるものはありますか?」と聞くと、即答に近い形で出てきたのがCoCo壱番屋のカレー。
🍛 お気に入りは「パリパリチキンカレー + 2辛 + チーズ」
カレー全般が好きだそうですが、中でもCoCo壱番屋がお気に入りなのだそうです。
そして、日本からハワイへ持ち帰るものを聞くと「だしパック」。 普段から食べるものには気を使っており、味噌まで自分で作るという一面も見せてくれました。
世界を舞台に活躍する俳優の「日本に帰ったら食べたいもの」がCoCo壱、というギャップもなんだか親近感が湧きます。
「あまり頑張りすぎずに」——サンディエゴの皆さんへ
インタビューの最後に、サンディエゴタウンの読者へメッセージをお願いしました。
少し考えてから、平さんはこう話してくれました。
「僕もね、俳優としてアメリカでどこまでできるかわかんないけど、できるとこまでね」
「あまり頑張りすぎずにね、やってた方がいいんじゃないですかね」
海外で仕事をすること、アメリカで生活すること。 思い通りにいかないこともある中で、その環境を受け入れながら、自分にできることをする。
今回のインタビューで平さんが話してくれたさまざまなエピソードを聞いた後だからこそ、最後の「あまり頑張りすぎずに」という言葉が、より印象に残りました。
俳優として世界の作品に出演しながら、これからは日本発の作品づくりにも目を向ける平岳大さん。 その次の挑戦にも注目です。
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